2015年6月2日火曜日

セミナーレポート 2015年5月28日・29日 【DPC対象病院移行 準備セミナー】

 528日(木)、29日(金)の2日間にわたり、「DPC対象病院移行 準備セミナー」を実施しましたので、当日の様子をご報告します。
 本セミナーは、DPC準備病院およびDPCデータを作成している出来高算定病院向けの内容で、当初28日(木)のみの開催予定でしたが、申込開始日に定員に達し、急遽、29日(金)も追加開催することとなりました。
 2014年度診療報酬改定(71入院基本料、地域包括ケア病棟入院料等におけるデータ提出加算の要件化)によって、DPCデータを作成する病院が急増した影響もあり、出来高病院の職員の方にも多くご参加いただきました。

 以下、セミナーで解説された、いくつかのポイントをご紹介します。

※下記内容は弊社コンサルティング部門としての見解です。 

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1.DPCデータ活用の可能性

 データ提出加算の要件化に伴って、DPCデータを作成する病院が増えていますが、それらの病院は、様式1ファイル(患者基本情報)EFファイル(診療行為情報)を使用することで、疾病と診療プロセスの可視化が可能になったと言えます。また同時に、厚生労働省が公表しているデータを使うことで、他病院との比較(患者数や平均在院日数)や全国の平均在院日数等との乖離を把握することも可能となりました。
 これは、病院経営・運営の管理単位が、従来の「診療科別・病棟別」から「疾病別・患者別」に変化したということであり、マネジメント手法が大きく変革したことを意味します。

 また、DPC対象病院への移行を検討するにあたっては、DPCコードを付与し、包括点数を計算することで、包括請求に移行した場合の収益変動を把握することも可能です。ただし、検討の際には、収益の変動額ばかりを気にするのではなく、DPC制度上の平均像と比較して「どのような問題・課題があるのか」を抽出し、全職員が共通の認識を持つ必要があります。そして、抽出された問題・課題の原因を精査し、DPC対象病院移行までの改善プランの作成と実行を進めていくことが重要です。



2.DPCコーディング体制の整備
 DPC包括請求移行までに準備しておくべき事項として、医事会計システムの見直しや請求方式の変更に伴う患者等への周知などが挙げられます。その中でも特に重点的な検討が必要な事項が、DPCコーディングの精度向上に向けた体制整備です。
 DPC包括請求の場合、「医療資源を最も投入した病名」と「入院期間中に実施した手術や処置」によって診断群分類が決まり、同時に1日当たりの点数も決定します。そのため、不正確なコーディングは医業収益および病院経営に大きな影響を与えることになります。

 さらに、DPCデータを院内に蓄積し、マネジメントツールとして活用する際にも、不正確なコードが付与されたデータでは、指標(ものさし)としての意味を持たず、意思決定上のミスリードを招く危険性もあります。
 DPCコーディング体制構築に対する施策としては、「DPCに関する講演やセミナーの実施」、「ICD10等に関する社内研修の実施」、「情報連携における役割の見直し」などが挙げられます。


3.経営戦略への発展
 中長期の視点としては、経営に資するデータの宝庫であるDPCデータを、戦略策定などに活用することも大切です。
 特に病床機能報告制度が導入されたことも相まって、今後益々、地域のおける自院の立ち位置を明確にすることが求められることになります。前に述べたとおり、DPCデータは、自院の診療実態を知るツールとなりますので、まずは自院の医療提供体制の現状を正確に把握することが第一歩であると考えます。
 また、地域医療構想への対応として、地域における自院と他医療機関の医療提供体制を可視化する際には、GIS(地理情報システム)などを活用することも選択肢の一つではないでしょうか。

※当日のセミナーでは上記内容の他に、多数の事例を交えた詳細な解説を行いました。
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 なお、PRRISMでは、「DPC対象病院移行コンサルティング」を通して、DPC対象病院へのスムーズな移行をご支援しています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

 最後に、PRRISMでは今後も定期的にセミナーを開催する予定です。セミナー開催のご案内は、マイページにご登録いただいているお客様より優先的にご案内しています。この機会に、マイページのご登録をご検討いただければ幸いです。