2015年12月1日火曜日

セミナーレポート 2015年10月30日 【様式1活用セミナー(中級編)】


 10月30日に、「様式1活用セミナー中級編~DPCデータを用いた医療圏分析~」を実施しました。本セミナーは入門編の続編として企画しており、タイトルの通り厚生労働省より公開されているDPCデータ(以下、公表値)を活用した、医療圏分析などを実施しています。
 入門編と同様に、参加者1名につきパソコン1台をご用意し、Excelで操作体験しながらの学習形式となっています。なお、セミナー後のアンケートでは、セミナーの内容に対して、88%の方から「大変参考になった」、あるいは「参考になった」とのご回答を頂きました。(未回答含む)

 ここでは、セミナーで取り組んだ医療圏分析や、様式1EFファイルを用いた収益性分析の一部をご紹介致します。
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ICD10コードをMDCDPCへコーディング
 公表値は、一部DPCコードを用いた集計結果となっています。そのため、DPC対象病院以外の医療機関の方々も、公表値の活用のためには、自院のデータをDPCコードへとコーディングする必要があります厚生労働省のホームページにある診断群分類(DPC)電子点数表マスタを用いて、VLOOKUP関数を使うことにより、コーディングが可能となります。
MDCへのコーディング例


DPC6桁へのコーディング例


②公表値を用いた二次医療圏分析
 ①で実施したICD10コードをDPCコードへコーディングしたことにより、自院のデータと公表値との比較が可能となります。公表値には様々な種類があり、用途に合わせてファイル(公表値)を使い分ける必要があります。
 下図は、近隣の医療機関と平均在院日数の比較をしたときの例です。ファイル(公表値)の中から該当する医療機関のデータを抽出し、自院のデータを加えることでデータの比較が可能となります。

              ※セミナー内では実際の公表値を用いて、作業して頂きます。

③様式1EFファイルを用いた収益性分析
 EFファイルには病名の情報がないので、病名単位での集計をするためには、様式1のデータと連結する必要がありますVLOOKUP関数で様式1EFファイルの必要な情報を結合し、ピボットテーブルを活用して、下表のようにデータを集計します。

例)4月退院患者の集計結果

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 当日のセミナーでは、上記の他にDPCの概要説明や、分析の応用として、ポジショニングマップの作成などのご紹介もしました。ポジショニングマップについては、地域医療構想策定における、自院のビジョン設定にも役立つツールになるので、ご興味ある方は是非、次回開催の際にご参加下さい。


 なお、入門編、中級編共に、各医療機関に訪問して研修サービスをご提供する「訪問型研修サービス」をご用意しております。詳しくは、営業担当者へお問い合わせください。

 最後に、PRRISMでは今後も定期的にセミナーを開催する予定です。セミナー開催のご案内は、マイページにご登録いただいているお客様から優先的にご案内しています。この機会に、マイページのご登録ご検討いただければ幸いです。

2015年8月10日月曜日

DPC請求開始までの道のり(後編)

前編につづいて、DPC請求開始までに実施することが望ましい事項について紹介します。

③入院請求体制の整備
DPC請求を開始するための体制整備としては、『医事システム等の改修』『請求フローに関するルール・役割分担の決定』2点が重要です。そもそも来年41日までに請求体制が整わなければ、退院処理ができませんので、本項が最も優先度の高い事項と言えます。

医事システム等の改修
当然ながら、医事システムについては、DPC請求に対応させる必要があります。各ベンダーの医事システムはそれぞれ便利な機能を有していますが、過去のコンサルティング経験から、注視すべきポイントを2点紹介します。

DPCコードの決定機能
DPCコードを決定する機能を大きく分けると、「入力した様式1ファイルの項目や実際の診療行為から自動的に分岐にかかわる行為を抽出し、機械的にDPCコードを付与するタイプのシステム」と、「ツリー図の分岐にかかわる手術、処置・検査、薬剤、併存症等を、職員が医事システム内の会計カードなどを使って確認しながら、DPCコードを選択するタイプのシステム」が存在します。
 病院によって色々な考え方があると思いますが、職員の労力軽減とミスコーディングの防止を図る上では、前者のタイプのシステムの方が優れていると言えます。
  


●包括対象外となる薬剤の取り扱いに関する機能
一部の薬剤については、特定のDPCの患者様に使用した場合、診療行為すべてが出来高算定になるケースがあります。しかしながら、このようなケースに該当する薬剤は種類が多く、人為的に出来高請求になるか否かを判断するのは、労力が掛かり、請求ミスのリスクも高くなります。
そのため、対象の薬剤を算定している場合は、自動的に出来高算定となる、もしくは、出来高算定を促すようなメッセージが出る、という機能を搭載しているかどうかを確認しておくと良いでしょう。
なお、弊社でもコーディングシステムをご用意しております。この機会にご検討いただけると幸いです。


請求フローに関するルール・役割分担の決定
DPCコードを決定するプロセスでは、医師と医事請求部門の綿密なコミュニケーションが適正な請求に繋がります。よって、入院から退院までのDPC業務フローを可視化し、関係者間で充分に協議した上で、周知徹底することが大切です。参考として、入院から退院までの運用の流れを、職種ごとに表したフロー図を掲載します。(下図はあくまで1つの事例です。)


業務フローの中で特に、「退院オーダーの期限の見直し」について優先的に検討することを推奨します。なぜならば、前編の勉強会の項で紹介した通り、DPCコードに基づいて請求する際には、①医療資源病名の選択が妥当かどうか、②実施した処置や副傷病を正確にDPCコードに反映しているか、などを医事請求部門が確認する時間を要するためです。
DPCコードの妥当性を充分に検証しないまま退院会計を行うと、後日、患者様への追加徴収などが発生する可能性がありますので、退院オーダーから退院会計までは、時間に余裕を持った運用が望まれます。

④患者様向け資料の作成
 入院の請求方法が変更される旨を周知するための患者様向け資料を作成することも必要です。具体的には、ホームページや院内掲示、パンフレットなどがあげられます。内容としては、「積み上げ方式の出来高請求」と「まるめ方式の包括請求」の違いを説明するイラストなどがあります。
在院日数の短縮を実現するには、患者様の理解も必要であることから、自院の主要DPCに関する説明資料(DPC/PDPSの考え方や全国の平均在院日数など)を、別途用意している病院もあります。DPCごとの説明資料については、来年4月までの作成は難しいとしても、徐々に充実させていくと良いでしょう。

弊社では、『DPC対象病院移行に関するサポートサービス』をご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。


※以上の文章は、弊社コンサルティング部門の見解、意見であることを最後に申し添えます。

DPC請求開始までの道のり(前編)

 727()DPC評価分科会にて、DPC対象病院への移行手順や申請期間(*1)についての議論が行われたことを受け、DPC対象病院移行を本格的に検討し始めた病院様も多いのではないでしょうか。
*1:正式な決定は、中央社会保険医療協議会(中医協)での議論後になります。

 今回は、DPC対象病院への移行を検討されている病院様向けに、今までのコンサルティング経験から、DPC請求開始までに実施することが望ましい下記4つの事項について説明していきます。
 なお、来年度からDPC準備病院に移行する予定の病院様については、2年後のDPC請求開始が可能かどうかの、参考にしていただければと思います。
DPC請求導入意思決定の院内周知
②部門別のDPC勉強会の開催
③入院請求体制の整備
④患者様向け資料の作成

DPC請求導入意思決定の院内周知
 DPC対象病院への移行を決定した後にまず行うこととして、「来年度からDPC請求を開始する」という方針の全職員への周知があげられます。
具体的には、DPC請求開始までのスケジュールや、各部門で準備すべきことを全職員に共有することになります。加えて、DPC対象病院への移行の意思決定に至るまでの経緯も共有することで、今後の準備業務に対する職員の納得感を高める効果が期待できます。その際、DPC請求移行時の収入変動シミュレーションなどを行っている場合は、その結果を提示しても良いでしょう。
院内周知後、実務を進めていくにあたっては、「DPC準備委員会」や「DPC導入プロジェクトチーム」などを立ち上げ、諸々の意思決定や指揮命令における権限と責任の所在を明らかにすることが有効と考えます。責任の所在が不明確なプロジェクトは、遅々として進まず失敗に終わる典型です。


②部門別のDPC勉強会の開催
 DPC請求を導入するという事は、単に請求の方法が変わるだけではありません。診療のプロセスにおいても、制度(点数設定や機能評価係数Ⅱ)を見据えて、在院日数の適正化や診療プロセスの標準化を推進する必要があり、医師の協力が不可欠です。また、病床稼働率を維持するためのベッドコントロールも重要であり、看護師においてもDPC制度や請求の仕組みを理解する必要があります。

 したがって、DPC支払制度(DPC/PDPS)に関する知識を高めることを目的とした、職種別の勉強会を開催することをお勧めします。今回は、「診療部門・看護部門向けの勉強会」と「医事請求部門向けの勉強会」について、ポイントを解説しますが、必要に応じて、コメディカル等の他部門向けの勉強会を実施しても良いでしょう。


診療部門・看護部門向け
 診療部門・看護部門向けの勉強会のテーマとしては、DPC請求の仕組みについて』DPC/PDPSにおける診療プロセスの標準化について』2つの視点で実施することが望ましいと考えます。特に『DPC請求の仕組みについて』は、内容として、DPCコード決定までの手順、DPC包括請求と出来高請求の違いといったものが想定され、後編で紹介するDPC請求フローを検討する際の基本知識となりますので、早期(9月~10月頃)に開催すべきでしょう。

 『DPC/PDPSにおける診療プロセスの標準化について』は、診療科別に課題が異なると思いますが、少なくとも下記3点は、全診療科共通で押さえておくべき要点です。
DPC点数の設定方法(入院期間が長くなるにつれて点数が逓減する)
DPC点数内に包括される診療行為
●機能評価係数Ⅱの考え方

 そして、上のような制度の具体的内容を理解した上で、診療科ごとに診療プロセスの見直しに取り組む必要があると考えます。
 各診療科が適切な準備を進めるために、可能ならば、過去1年間のDPC調査データを診療科別に分析することをお勧めします。分析結果をもとに、DPCごとに「現状の平均在院日数はこうなっています」、「DPC制度下では○日を目安にすると良いでしょう」という形で、事務部門からデータに基づいた現状のフィードバックをすることが理想です。


医事請求部門向け
 DPC/PDPSでは、DPCコードごとに一日当たり点数が設定されているため、実際に提供した診療内容に基づく適正なDPCコードの決定が、入院収益および利益に直接的に影響を与えることになります。
したがって、医事請求部門で勉強会を開く際は、DPC請求の仕組みについて』の基本的な内容だけでなく、DPCコーディングについて』重点的に学ぶ場を設けて、コーディングスキルを向上させることを推奨します。

 DPCコードの最終決定権は医師にありますが、各疾患に対する医療資源投入量を、医師が完璧に把握することは現実的に困難であるため、医事請求部門には、医師のDPCコード決定をサポートする役割が求められます。具体的には、下記例のように、医師が選択した病名を診療行為と照らし合わせて検証し、より適切な病名(DPCコード)の選択肢を提示することがあげられます。
このように、DPC/PDPSにおいては、医事請求部門職員のDPCコーディングに関する知識・スキルの向上が不可欠です。

 

弊社では、DPCデータを使った在院日数や診療内容の現状分析勉強会の講師派遣や体制づくりのサポートなどを通して、DPC対象病院移行をご支援しています。詳しくはこちらをご覧ください。


※以上の文章は、弊社コンサルティング部門の見解、意見であることを最後に申し添えます。

2015年7月31日金曜日

セミナーレポート 2015年7月31日 【様式1活用セミナー(入門編)】

 731日(金)に、「様式1活用セミナー(入門編)」を実施しました。本セミナーは、主にデータ提出加算を算定している病院の職員様を対象に、DPCデータの「様式1ファイル」を使って疾病統計などを作成することを目的とした研修型セミナーです。当日は、参加者様1名につきパソコン1台をご用意し、Excelで操作を体験しながら研修を進めていきました。
 なお、セミナー後のアンケートでは、セミナーの内容に対して、90%の方から「満足」とのご回答をいただきました。
 ここでは、様式1ファイル活用の可能性と、分析の困難性を提示しながら、セミナー内で解説した様式1ファイル活用方法の一部をご紹介します。
※下記内容は弊社コンサルティング部門としての見解です。

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1.様式1ファイル活用の可能性
 様式1ファイルの内容は、退院サマリーのようなイメージで、患者属性・入院退院情報(入院経路や退院先)・病名情報・手術情報・重症関連情報など、様々な項目で構成されています。これらの項目を組み合わせて集計することで、自院の診療提供体制を可視化し、直感的かつ数値として把握することへ繋がります。

 可視化の具体例としては、診療録管理体制加算の基準としてあげられている「ICD細分類別の疾病統計」の作成があげられます。下図は、様式1ファイルから作成した【男女別・年齢階級別の症例数・平均在院日数】のグラフです。このようなグラフは、Excelのピボットテーブルを活用すれば、他の疾患についても簡単に作成することができます。
 
1.様式1ファイルを使用して作成できるグラフの例


2.様式1ファイルを分析することの難しさ(分析しやすい形に変換する)
 集計・分析をするための有益な情報が含まれている様式1ファイルですが、効果的な分析をするためには、事前処理を必要とする煩雑さがあります。

 様式1ファイルは、項目名がコードで表されており、また患者情報などもコードや値で入力されているため、直感的に理解するには適さない形になっています。例えば、下表のように「コード:A000020のペイロード21である」という状態でグラフを作成しても、何の事だかわかりません。(正しくは、「入院経路:家庭からの入院」という意味です)

1.様式1ファイルの抜粋 


したがって、それぞれのコードや値が何を意味しているのか、下表のように、具体的な名称を追加・変更する必要があります。そこで必要になるのが、①マスタの作成と、VLOOKUP関数です。

2.「コード」から「名称」への変換例
 


マスタの作成
 まず、下準備として、表3のような各コードや値と名称を紐付けるためのマスタを作成します。ここでは例として、「入院経路マスタ」を紹介していますが、集計の目的に合わせて、「ペイロード種別マスタ」や「ICD分類階層マスタ」なども作成する必要があります。
様式1に関連するマスタは、『DPC導入の影響評価に係る調査 実施説明資料』を参考に作成することができます。(※マスタ作成は労力のかかる作業のため、セミナーに参加された方には各種マスタをご提供しました)

3.マスタの例:入院経路マスタ



VLOOKUP関数
VLOOKUP関数とは、検索機能を持つ関数で、指定した範囲の中から条件に合致したデータを検索して抽出してくれる関数です。


 
例えば、表2のようなペイロード種別の名称を追加したい場合は、下のようなイメージで関数を入力すると、様式1ファイルのコードとマスタのコードが紐付き、対応した名称が挿入されます。

2.VLOOKUP関数のイメージ
 

 集計や分析の目的に合わせて、マスタの整備と項目名の変換処理を行ったら、最後にピボットテーブルを使って、表やグラフを作成します。

※有料セミナーのため、セミナー内容の紹介は最低限に留めております。

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 当日のセミナーでは、上記の内容の他、ショートカットキー・在院日数や年齢の算出方法・ADLスコアの集計・ピボットテーブルによる集計とグラフ化などを、実際の操作を体験しながらご紹介しました。文章だけで細かなExcelのテクニックを、すべてお伝えすることは困難であるため、ご興味のある方は、是非、次回開催セミナーにご参加いただければ幸いです。
なお、今回のようなExcelDPCデータを加工・集計する研修を、各病院に訪問して提供する「訪問型研修サービス」もご用意しています。詳しくは、営業担当者へお問い合わせください。

 最後に、PRRISMでは今後も定期的にセミナーを開催する予定です。セミナー開催のご案内は、マイページにご登録いただいているお客様より優先的にご案内しています。この機会に、マイページご登録をご検討いただければ幸いです。

2015年7月23日木曜日

セミナーレポート 2015年7月22日 【今から始める!データ提出加算セミナー】

 722日(水)に、「今から始める!データ提出加算セミナー」を実施しましたので、当日の様子をご報告します。
 本セミナーは、今年度初めてデータ提出加算の届出を行う病院向けに、「DPCデータを作成するための院内体制」や「DPCデータを提出するにあたり注意すべき点」などを解説するセミナーで、昨年に続き、2年連続の開催となりました。
 なお、セミナー後アンケートでは、セミナーの内容に対して、96%の方から「満足」とのご回答をいただきました。(残りは未回答)

 以下、セミナーで解説された、いくつかのポイントをご紹介します。
※下記内容は弊社コンサルティング部門としての見解です。

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1.DPCデータを作成するための体制~~様式1ファイル~~
 データ提出加算の施設基準の1つである“DPCデータの提出”の中で、最も作成に労力が掛かるのが「様式1ファイル」です。様式1ファイルは、調査項目が約70項目あり、単純に量が多いだけではなく、内容が専門的で多岐にわたります。そのため、医師や看護師など多職種のスタッフが協力し合わなければ、作成が困難なファイルと言えます。

 様式1ファイルを作成するにあたっては、我々の業務サポートの経験上、まずは「どのように情報を収集するのか?」という情報収集の方法を検討すべきと考えます。①医師や看護師が直接、システムに入力するのか、②医師や看護師が紙に記録し、医事課がシステムに入力するのか…など、組織体制やマンパワーによって最適な方法が異なりますので、自院の実状に沿った充分な検討が必要です。

情報収集の方法が決定したら、次は様式1ファイルの項目の役割分担を行うことをお勧めします。特に、病名や重症度指標、ADLスコア、褥瘡分類などは、専門的な知識が必要となるため、医師や看護師による記録が望ましいと考えます。
上記の取り組みについては、例えば、データ提出加算の施設基準にも挙げられている「コーディングに関する委員会」の中で、協議・情報共有するということも方法の1つです。
 

2.DPCデータを提出する際にチェックすべき事
 院内体制を整え、システムを購入し、苦労してデータを作成しても、正しいデータ提出を行わなければ、施設基準をクリアしたことにはなりません。提出方法の詳細は、DPC調査の実施説明資料に記載されていますので、ここでは、今までの業務サポートの経験上、間違いが起こりやすい点をご紹介します。

媒体の中にコピーするファイルに注意!
 郵送する媒体の中には、形式チェックソフトで作成した「提出用データ」のみを媒体の直下にコピーします。媒体の中にフォルダを作成したり、チェックをかけた元データ(テキストファイル)をコピーしたりする必要はありません。
 また、試行データを提出する際に、1か月分のデータしか媒体に入れていない事例もありましたが、試行データ提出時には、必ず2か月分の提出用データを提出します。(形式チェックソフトで前月データも併せてチェックしていますが、2か月分が統合されるわけではありません)
※本データでは3か月分を提出します。

必ず別のパソコンで媒体の中身を確認!
 提出用データを媒体にコピーして、書き込みが終了したら、必ず作業をしたパソコンとは別のパソコンで中身を確認することをお勧めします。媒体の中にデータをコピー&ペーストしただけでは、正しく書き込みがされない場合があるためです。
 提出用データはクリックしても開くことはできませんので、媒体の中にファイルが表示されていれば問題ありません。


3.DPCデータ活用の可能性
 長期的な視点では、多くの労力や費用をかけて作成したDPCデータを、経営改善などに活用することを推奨します。DPCデータには、病名や診療行為・重症度等、多くの診療情報が盛り込まれており、経営改善や診療プロセス改善のヒントが詰まった宝庫と言えます。

 それぞれのパソコンスキルによりますが、様式1ファイルをエクセルで加工・集計するだけでも、【疾患別】【年齢階級別】【男女別】【退院先別】【転帰別】の【患者数】【平均在院日数】などを可視化できますので、そのような統計資料を院内にフィードバックすることも有益と考えます。

 「院内で人員が不足している、時間がない」という場合や、「もっと高度な分析をしてみたい」という場合は、コンサルティング会社などが提供しているDPCデータ分析サービスを活用するのも1つの手段ではないでしょうか。

※当日のセミナーでは多数の事例を交えた詳細な解説を行いました。

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 なお、PRRISMでは、データ提出加算算定サポートパッケージを通して、
●様式1ファイル項目に関する役割分担の提案
●院内の実状に沿った連絡票の作成
DPCデータに関する院内勉強会の実施
●形式チェックエラーの修正支援
などのサービスを提供しています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

 最後に、PRRISMでは今後も定期的にセミナーを開催する予定です。セミナー開催のご案内は、マイページにご登録いただいているお客様より優先的にご案内しています。この機会に、マイページご登録をご検討いただければ幸いです。

2015年6月2日火曜日

セミナーレポート 2015年5月28日・29日 【DPC対象病院移行 準備セミナー】

 528日(木)、29日(金)の2日間にわたり、「DPC対象病院移行 準備セミナー」を実施しましたので、当日の様子をご報告します。
 本セミナーは、DPC準備病院およびDPCデータを作成している出来高算定病院向けの内容で、当初28日(木)のみの開催予定でしたが、申込開始日に定員に達し、急遽、29日(金)も追加開催することとなりました。
 2014年度診療報酬改定(71入院基本料、地域包括ケア病棟入院料等におけるデータ提出加算の要件化)によって、DPCデータを作成する病院が急増した影響もあり、出来高病院の職員の方にも多くご参加いただきました。

 以下、セミナーで解説された、いくつかのポイントをご紹介します。

※下記内容は弊社コンサルティング部門としての見解です。 

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1.DPCデータ活用の可能性

 データ提出加算の要件化に伴って、DPCデータを作成する病院が増えていますが、それらの病院は、様式1ファイル(患者基本情報)EFファイル(診療行為情報)を使用することで、疾病と診療プロセスの可視化が可能になったと言えます。また同時に、厚生労働省が公表しているデータを使うことで、他病院との比較(患者数や平均在院日数)や全国の平均在院日数等との乖離を把握することも可能となりました。
 これは、病院経営・運営の管理単位が、従来の「診療科別・病棟別」から「疾病別・患者別」に変化したということであり、マネジメント手法が大きく変革したことを意味します。

 また、DPC対象病院への移行を検討するにあたっては、DPCコードを付与し、包括点数を計算することで、包括請求に移行した場合の収益変動を把握することも可能です。ただし、検討の際には、収益の変動額ばかりを気にするのではなく、DPC制度上の平均像と比較して「どのような問題・課題があるのか」を抽出し、全職員が共通の認識を持つ必要があります。そして、抽出された問題・課題の原因を精査し、DPC対象病院移行までの改善プランの作成と実行を進めていくことが重要です。



2.DPCコーディング体制の整備
 DPC包括請求移行までに準備しておくべき事項として、医事会計システムの見直しや請求方式の変更に伴う患者等への周知などが挙げられます。その中でも特に重点的な検討が必要な事項が、DPCコーディングの精度向上に向けた体制整備です。
 DPC包括請求の場合、「医療資源を最も投入した病名」と「入院期間中に実施した手術や処置」によって診断群分類が決まり、同時に1日当たりの点数も決定します。そのため、不正確なコーディングは医業収益および病院経営に大きな影響を与えることになります。

 さらに、DPCデータを院内に蓄積し、マネジメントツールとして活用する際にも、不正確なコードが付与されたデータでは、指標(ものさし)としての意味を持たず、意思決定上のミスリードを招く危険性もあります。
 DPCコーディング体制構築に対する施策としては、「DPCに関する講演やセミナーの実施」、「ICD10等に関する社内研修の実施」、「情報連携における役割の見直し」などが挙げられます。


3.経営戦略への発展
 中長期の視点としては、経営に資するデータの宝庫であるDPCデータを、戦略策定などに活用することも大切です。
 特に病床機能報告制度が導入されたことも相まって、今後益々、地域のおける自院の立ち位置を明確にすることが求められることになります。前に述べたとおり、DPCデータは、自院の診療実態を知るツールとなりますので、まずは自院の医療提供体制の現状を正確に把握することが第一歩であると考えます。
 また、地域医療構想への対応として、地域における自院と他医療機関の医療提供体制を可視化する際には、GIS(地理情報システム)などを活用することも選択肢の一つではないでしょうか。

※当日のセミナーでは上記内容の他に、多数の事例を交えた詳細な解説を行いました。
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 なお、PRRISMでは、「DPC対象病院移行コンサルティング」を通して、DPC対象病院へのスムーズな移行をご支援しています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

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2015年1月26日月曜日

ナショナルデータベース(NDB)活用の現況と今後 第3回(全3回)

3. NDBのさらなる利用拡大に向けた取り組み

 第2回に続いて、NDB活用の実績を見てきましたが、今後はどのような展開が期待されるのでしょうか。本節では、NDBの利用拡大に向けた動きについて取り上げます。

2015年1月19日月曜日

ナショナルデータベース(NDB)活用の現況と今後 第2回(全3回)

2. NDBを活用した研究成果の事例

 第1回に続いて、NDBを活用した研究成果としては既に多くの報告書や学術論文などが公表されており※5、そのうちいくつかは実際の政策立案等の場面で活用され始めています。ここでは、その研究目的の視点から下記の4つに分類していくつかの成果をご紹介します。

2015年1月13日火曜日

ナショナルデータベース(NDB)活用の現況と今後 第1回(全3回)

 近年、ビッグデータの活用が一種のブームとなっており、医療分野においても各種活用が進められています。ビッグデータの定義は様々ですが、医療分野のビッグデータとしては、厚生労働省が整備してきたナショナルデータベース (以下、NDB)も含まれるのではないでしょうか。

 NDBとは、国が保有するサーバに格納されたレセプト情報・特定健診等のデータベースを指し、その規模は平成26年2月末時点でレセプト情報が72億件、特定健診等情報は約9,000万件に上ります※1。